図書館実習とは
電気通信大学ではキャリア教育科目の講義の中の1コマとして、附属図書館に関する見学および実習を行っています。
附属図書館の利用方法については全学的なガイダンスを通じて学生たちに周知されていますが、キャリア教育授業の中で学生たちが実際に附属図書館へ足を運ぶ機会を設けることによって、さらに一歩進んだ図書館の活用を促します。
一年次の段階から学生たちが図書館を活用できるようになることで、大学教育における学びをより深め、学修を一層促進することができるように、附属図書館と連携して図書館実習の取り組みを進めています。
Purpose
図書館実習の目的
- 大学生となったことで、求められる学びの姿勢(*1)が高校までとは異なる。学びを得る場のひとつである図書館を知ることにより、大学生としての自覚を持つ
- 学生生活で図書館を活用するための基本的な利用方法を学ぶ
Flow
図書館実習の流れ
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図書館の概要説明
図書館職員から図書館の基本情報についての説明を受ける。
TAである先輩学生から、実際の利用者側の視点からの説明を受ける。
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図書館内の見学
図書館職員・先輩学生に案内されて、図書館内の各種施設を実際に見て回る。
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図書検索実習
自ら図書館の端末を操作して、あらかじめ指定された図書を探す実習を行う。
Practice
図書館実習の実際の様子
図書館の概要説明を受ける学生たち
学生たちは、図書館の職員から図書館の施設・蔵書の概要、利用実態、利用方法など、図書館の基本となる情報について説明を受けます。
また先輩学生からも、実際の図書館の活用方法や図書館を使うメリットなど、利用者側の視点からの説明を受けます。
図書館内の見学
実際に図書館内を見学しながら図書館内の機器、書架、書庫などの利用方法・説明を受けます。
図書館内・利用スペースの様子
図書検索実習
図書館内の見学が終わると、実際に図書館内の端末を操作して図書探索の実習をします。
まずは、端末の操作方法や図書の貸し出し手続きについての説明を先輩学生と図書館職員から受けます。
続いて、学生たちが自ら端末を操作して指定された図書を検索して、実際に本を探しに向かいます。
指定された図書を見つけることができれば、図書館実習は全て終了となります。
図書館実習まとめ
本学のキャリア教育は、学内・学外の様々な組織・団体と連携しながら、体験を通して学ぶ点に特徴があります。
その一環として、先輩学生からの協力を得ながら附属図書館と連携して行う本取り組みは学生にとって貴重な体験の機会になっています。
また、その成果は実際に数字にも表れており、附属図書館による本取り組みの調査結果によると、図書館実習の受講者は未受講者と比較して図書の貸出し冊数が有意に多くなるとの結果も得られています。(*2)
そこで、引き続き学内図書館と連携して、本取り組みをより有効なものとしながら継続していきたいと考えています。
注記
(*注1)学びの姿勢について、「2014年度 電気通信大学概論」での福田学長による講演資料から引用。
「高校までの学びの姿勢」と「大学からの学びの姿勢」には違いがある。
高校までは、学びの始まりは教員から与えられるが、大学では自ら課題に気づく。
高校までは、学習範囲が決まっているが、大学では決まっていない(制限がない、深く突き詰める)。
高校までは、学習方法を教員に教えてもらうが、大学では基本的に自ら考え、試行錯誤する。
高校までは、課題の答えは多くの場合1つだが、大学では多くの場合1つとは限らない。
高校までは、学びの動機は多くが定期試験や進学のためだが、大学では社会との関わり(課題の解決や真理の追究)。
「大学での学び」へ転換するためには、「批判的に考える力」と「理論的に伝える力」が必要である。
(*注2)図書貸出し冊数向上(附属図書館の利用向上)への寄与
平成27年度から1年次学生向けに、附属図書館の協力を得て図書館実習を開始した結果、以下のように1年次学生の前期期間における貸し出し冊数が増加している。
平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | |
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4月 | 268冊 | 321冊 | 344冊 |
5月 | 402冊 | 454冊 | 484冊 |
6月 | 330冊 | 497冊 | 487冊 |
7月 | 360冊 | 496冊 | 445冊 |
合計 | 1,360冊 | 1,768冊 | 1,760冊 |
また、図書館実習の受講者(グラフ青線)は未受講者(赤線)と比較して図書の貸出し冊数が有意に多くなっている。